ディスポーザーの歴史は古く1927年、米国の建築家であり発明家のJohn Hammes(ジョン・ハムス)氏が夫人のために生ごみ処理機を作ったのが始まりです。ハムス氏は開発から10年後の1938年、ディスポーザーを世に出す為にウィスコンシン州にInSinkErator社 (現、エマソン社インシンクイレーター事業部)を創業。
その後、ディスポーザーは衛生面や利便性のよさから普及。あらゆる企業、大学、研究機関の実験で下水道 により社会的安全性が確認され多くの企業がディスポーザー市場に参入するようになりました。 国では1960年代に温暖な地域から伝染病であるポリオの感染を防止するために屋外に生ゴミを出す事を禁止すると同時にディスポーザーの設置を義務付ける州が現れ始めました。現在、米国ではディスポーザーは家電製品として一般普及しています。
日本では1960年代には米国からやってきたディスポーザーは米国製の他にシャープや日立などと合わせ年間1万台以上が売れたと言われています。しかし当時の下水道処理施設は大都市の一部にしかなく普及率も20%以下でした。下水道普及率の高い米国から来たディスポーザーは下水道未整備地域の計画に障害となるだけでなくゴミに関する利益特権を阻害すると考えられ普及することに対する多くの障害が発生しました。 下水道未整備地域では日本の製造業者により自主的な自粛が開始され、旧建設省の下水道部も、全国の自治体に対してディスポーザーは「自粛要請のお願いをすること」の指示を出したことを米国政府に認めています。 下水道や合併処理浄化槽の汚水処理設備の普及した現在では、国土交通省が北海道旧歌登町で行ったディスポーザーの社会実験の結果報告により使用自粛を解除、ニュートラルな立場となっています。
独自の判断材料やデーターのない地方自治体には当時のまま「使用自粛のお願い」が残っている反面、下水や農集落排水、合併処理浄化槽が完備されている地域にディスポーザー設置に対する検討や補助金を出すなどディスポーザー導入に積極的な自治体が多く現れています。ディスポーザー導入による財政コストの軽減や地域衛生予防、高齢化対策、LCAの観点から、今後は地方自治体主導によるディスポーザー地域一括設置が増加していく事が予想されます。 1996年から登場した「ディスポーザー排水処理システム」はディスポーザーに専用処理槽を組み合わせたシステム商品で多くの分譲マンションに採用されました。 その利便性からディスポーザー付マンションでの住民評価がIHや食洗機を抜いた事により一気に知名度を上げ、現在ではキッチンの必須人気商品になっています。